何百年も使い続けられる道具

何百年も使い続けられる道具

独特の色合い、使い勝手のよさで人気の「あわびウェア」の皿や壺たち。東京でのアーティスト活動を終え、故郷の淡路島で焼物を始めた代表の岡本純一さんは、どのような想いでこのうつわ制作をしているのでしょうか? これぞニッポンの里山というのどかな風景に囲まれた工房を訪れました。


SOUQ
本当に気持ちのいい場所、最高の環境ですね。


岡本
夏、暑いのを除けば(笑)。


SOUQ
元診療所だったんですよね?


岡本
はい。50年前ぐらいの話だと思うんですけどね。そのあと工場になったので、うつわを焼く工房はその名残がまだありますね。栄養ドリンクとかを生産していたみたいです。


SOUQ
柱に「つめきり 御自由にお使ひください」と貼ってあるのは、工場の名残なんですね。


岡本
そうです。そのまま残してますね。


SOUQ
どんな製造工程でつくられるんですか?


岡本
まず最初に原型をつくるための型をつくります。マザー型というんですけど、これがいちばん最初の大事な仕事です。


岡本さんが最初につくる“原型をつくるための型”


SOUQ
相当緻密に設計されている感じがしますね。


岡本
でも、大量生産される工業製品のようにはつくってなくて、わりと手仕事ですよ。しっかり測ってつくっていくというよりは、ある程度下書きしたら、あとはザックザック削っていきます。


SOUQ
人の手による手工芸ですね。


岡本
はい。でも技法的には、工業製品をつくるのと同じなんですよ。圧力鋳込みって言うんですが、まずボクがこの形をつくって、瀬戸と波佐見の工房にお願いして型取りをしてもらいます。


SOUQ
瀬戸と波佐見といえば、昔からの窯業の街で、工業製品をつくってますもんね。


岡本
そうするとこの形の空洞ができる。それを何段にも積み重ねて、下から液状の粘土を圧力で流し込むんですね。そうすると素焼きのものができあがってくる。その工房は、ふだんは均等な工業製品をつくってるんですよ。



SOUQ
大量につくるには、均等につくることが求められている…


岡本
そうそう。でも、実は全部手仕事なんですよ。ボクも型をつくるのに手で削っていますけど、その工房でも、型取りも型に流し込むのも手仕事。型を外して撫でていくのも職人の手によるものです。


SOUQ
意外ですね。ああいう大量生産をするところは、すべて機械が流れ作業でやるものだとばかり思っていました。


岡本
結構アナログの作業なんですよ。でもそれを見せないように、できるだけ均等につくっているというのが今までの窯業の仕事。だからちょっとした揺らぎがあるんですね。ボクは、その揺らぎもそのまま生かして製品にしていく。だから、ちょっと温かみみたいなものが残るんじゃないかな。工業製品と同じつくりかただけど、親しみたいなものが出てきてるんじゃないかなと思います。

SOUQ
揺らぎ、いいですね。しかし、「あわびウェア」さんが、瀬戸や波佐見のようなメジャーな陶芸の街と仕事をしているとは、ちょっと意外でした。


岡本
ご縁があって。もともと武蔵野美術大学で彫刻をやってたんですが、同級生が瀬戸の窯の娘で、そこに発注しているんです。たまたまその子と知り合いだったので、あっ、こういうつくりかたできるかもしれないと思って。普通だと、クラフトって大量生産を否定して始まってるところがあるんですけど。「あわびウェア」は、分業をメインとしています。


SOUQ
分業?


岡本
素焼きは外にお願いしていますし、法人化して工房としてちゃんと運営していけるように人を入れて、分業するというのがボクの基本にあるので。そのほうが、自分の強い意志が入らないからいいと思ってるんですね。


SOUQ
意思が入らないほうがいい?


岡本
ボクはそう思っていて。自分個人の作品をつくっているというよりかは、今の時代に生きている人たちの道具をつくっている。お客様がこういう色を望んでいればそれはつくる。できるだけ自分の意思をそぎ落としていく。

SOUQ
ものづくりをされてる方って、やっぱり自分を出したいと思っている方が多いのかなあという印象なんですが、違うんですね。


岡本
各職人がその仕事をマスターして、しっかりして。それをつないでいくと、長く使える道具ができるはずなんです。ボクがいま死んで工房からいなくなったとしても、そういうモノづくりが続いていくようなカタチをつくれればいいなあと。昔の民藝が持ってた手づくりの温かさとかよさというのを、現代の手法を使ってつくる。それが「あわびウェア」の特徴だと思っています。


SOUQ
日常で使ってこその民藝の精神。


岡本
そうです。ボク、民藝がやりたかったんですね。大学を卒業してそのまま大学で助手を5年ぐらいやってたんですが、そのときに骨董市や骨董屋さんをめぐって、道具や古いものを集めてたんです。全部民具で、それが美しいと思っていました。

SOUQ
民藝に魅せられていったわけですね?

岡本
そうです。でもこの美しさが現代にないのかなと思って。民藝の産地はあるんですけど。その産地も柳宗悦が生きてた時代から何十年も経っている。100年ぐらい経ったんですかね、民藝が生まれてから。その産地も様変わりしている。民藝のように見えて、ボクには昔の道具のような美しさは感じられない。それはたぶん昔のカタチをただ写しているだけだから。いま生きている環境が変わってくると、道具のカタチも変わっていかなければならないし、ボクはどうやったら現代の民藝が可能なのか、挑戦をしているつもりです。

SOUQ
昔の民藝の道具もそうだと思うのですが、やはり長く使ってほしいという想いはあるのですか?


岡本
そうですね。何百年も使ってくれるとうれしい。基本的には。焼物は十万年ぐらい持ちますから、紫外線を避けて保管しておけば。多少風化しますけど、それぐらい持ちます。縄文土器ですら一万年は持っていますから。焼成しているものだったら十万年ぐらいは持つんだと思います。


SOUQ
いつの日か「あわびウェア」のうつわが発掘されたりして。


岡本
そうなったらいちばんいいですけど。その頃はもう地球に人がいないんじゃないですかね(笑)。


SOUQ
東京から淡路島に移られたのは、いつ頃ですか。


岡本
淡路島に移住したのは8年前ですね。6年半前にこことは違う場所で陶芸を始め、今の工房に移ったのは2年半前です。


SOUQ
「あわびウェア」さんは地元の珉平焼を参考にしているということを聞いたのですが。もともと淡路島の民藝なんですかね?


岡本
民藝とはちょっと違うと思います。


SOUQ
珉平焼とはどういうものか、教えてください。

岡本
珉平焼というのは、江戸時代後期に賀集_平という陶工が淡路島で始めた焼物で、京焼で修業して、淡路島に帰ってきて窯元を開いています。そのときは、どちらかというと芸術家ですね。


SOUQ
作品志向だったわけですね。


岡本
その頃は陶芸家という言葉はなかったと思うんですが、なんというのかな…焼物屋とか焼物師とでも言ったのでしょうか? 


SOUQ
焼物師としておきましょうか。


岡本
当時は、各藩にそれぞれ焼物師がいて、珉平は阿波藩お抱えだった。中国の焼物や、安南というベトナムの焼物の写しなどをつくっていました。

SOUQ
海外からの影響を受けてたんですね。


岡本
そうやって、当初は1点ものをつくってたのが、珉平の孫が工房にしたんです。そこで大量生産をはじめて、こういう変わったうつわをたくさんつくりはじめたんですよ。それがどんどん工業化していって、輸出用とかにつくるようになった。


SOUQ
結構たくさんつくってたんですかね?


岡本
めっちゃつくってましたね。1,100℃ぐらいでしか焼かないので、軟質陶器といって弱いんですが、バンバンつくれるんですよね。


SOUQ
軟質陶器?


岡本
はい。軟質陶器というのは、鉛釉と言う鉛を原料とした釉薬をかけて、低火度で焼きます。今だと鉛は有害なんで法律的に使ったらダメなんですけど、昔はそういう規制もなかったので。


SOUQ
鉛の釉薬を塗ってたんですね。


岡本
そうです。鉛を混ぜた釉薬の特徴が、こういう鮮やかな発色なんです。


SOUQ
なるほど、珉平焼きの鮮やかな色は、鉛からきているのですね。


岡本
それで800℃から900℃で溶けるんですよ。サッと焼けるんで、コストもかからないし、たくさんつくれたんだと思います。でも弱いです。

SOUQ
珉平焼のカラフルな色合いは「あわびウェア」にも通じるものがあると思うのですが、そのへんの研究もされたりしたのですか?


岡本
軽くはやりました。今は禁止されている鉛釉を使わずに、ああいう色を出せるかなと実験してみましたが、結構難しい。同じような色はつくれますけど、あそこまでパッキとした色を出すのは難しいですね。

SOUQ
今地元の方は、珉平焼に対してどう思ってるんでしょうね?


岡本
どうでしょう…。珉平、珉平って言ってるのは、お茶やってる人ぐらいかなあ。ボクもお茶やってますけど、地元の芸術家の道具を取り入れたりするんですよ。珉平焼はそういう道具もたくさんつくっていたので。


SOUQ
今、淡路島では、陶芸家の方は多いのですか?


岡本
陶芸家はちょくちょくいます。たぶん環境がいいからでしょうね。


SOUQ
ものづくりの環境としていい?


岡本
いいですね。ボクも東京から帰ってきて、気に入ってます。


SOUQ
ここに移ってくる前は、もうちょっと小規模なところで工房をされてたんですか?


岡本
いや、前のところも結構デカかったんですよ。関西看護医療大学の使っていない校舎を丸ごと貸してもらって。教室7部屋ぐらい借りてましたね。


SOUQ
へえ、7教室というとかなり広いですよね。


岡本
工房で使っていたのは2部屋ぐらいでしたけどね。それ以外はワークショップをしたり、展覧会を企画してみたり。そういう活動もちょくちょくやってました。

SOUQ
それは、今もやってらっしゃるんですか?


岡本
最近はやる場所がなくなったのでやってないですね。最近思うのは、環境によってやることが変わってくるなということ。自分がやりたいことよりも、環境が人を動かすというか。


SOUQ
それ、すごくわかるような気がします。


岡本
出会いとかもそうですけどね。


SOUQ
確かに、教室5部屋分が空いている環境があったら、なんかしなきゃいけないとという気になるかも。ワークショップはどういうことをされてたんですか?


岡本
そのときは、過渡期だったのでアート寄りのものが多かったですね。アーティストに来てもらって、「あわびと子ども美術館」という子どもをテーマにしたプロジェクトを進めたり、いくつかやってました。

SOUQ
参加されるのは地元の方でしたか?


岡本
そうですね。演劇をやったり、映画の上映会もやってましたね。


SOUQ
演劇は地元の劇団が出演して?


岡本
この時は東京から来ていただきました。そのときやったのは電話劇だったんですが、展示会場に電話ボックスが置かれていて、そこに電話番号が書いてあるんです。ダイヤルしたら役者につながるという仕掛けで。


SOUQ
へえ、おもしろそうですね。


岡本
会場が4階の教室だったんで、窓から周りが見渡せるんですね。電話口からは、たとえば淡路島が空港建設予定地になってた時代の話をしてくれるんですよ。窓からはその予定地だったところが見えるんですね。


SOUQ
劇と実際に見える風景がつながる。


岡本
そう。当時のデモの音声を流したり、その場にいるような臨場感があって。淡路島の歴史を巡ることができる劇で、おもしろかったですね。

SOUQ
それから、焼物へと移行されていったんですね?


岡本
展覧会などをやっている傍ら、陶芸教室も始めて。陶芸教室をやりながら、2、3年ちょこちょこうつわをつくっていて。そのうち「あわびウェア」という分業のカタチが徐々にできてきたので、ブランドをつくりました。2012年だったかな、「瀬戸内生活工芸祭」というクラフトフェアに初めて出て。そこから陶芸にシフトしていきました。


SOUQ
じゃあまだ始めて6年ぐらいのもんなんですね。


岡本
「あわびウェア」という屋号で始めてからは、それぐらいですね。


SOUQ
屋号のあわびは、“淡路島の美しさ”ということですよね?

岡本
はい。そのように説明していますけど。本当は違うんです。


SOUQ
えっ、違うんですか?


岡本
大きくは違わないんですけど。さっき言った展覧会やワークショップを企画していた団体の名前が、淡路島美術大学っていうんですよ。略して“あわび”。そこからもらってるんですよ。でも淡路島美術大学というのを説明していると面倒だしよくわからないので(笑)。


SOUQ
“淡路島の美しさ”でいいですね(笑)。そこからたった6年の間に、大きくなってきましたね。


岡本
うめだスークさんのおかげです(笑)。『100年後に残したいもの』というイベントに呼んでいただいて。それがきっかっけで年に1回ぐらいイベントに参加するようになって。

SOUQ
うめだスークでのイベントは、女性客が走り込んでいますね。

岡本
ほんとですか? 1回目のイベントのときは、結構お客さんが来て並んでくださってましたけど、ボクは、会期中は最後まですべてのアイテムが、売り切れずにちゃんとあるというのを目指しているんですよ。作品とは違って生活道具なので、たくさん買って使ってほしい。お客さんがどれだけ殺到しても、最終日でもちゃんとあれば、初日に駆け込まなくても済むので。


SOUQ
それはありがたいですね。


岡本
それで、最近はそんなに並ばずに買えて、ゆっくり見れます。1時間でも2時間でも見てる人はいらっしゃるし。そういうふうに「あわびウェア」と接してくれたらうれしいですね。


SOUQ
「あわびウェア」は、最初はどんな器からスタートしたんですか?


岡本
どうだったんだろう? いちばん最初につくったのは、たしか輪花皿ですね。

SOUQ
花のような形の器ですね。


岡本
最初は、目立つものをつくらないといけないとなと思ったんですよ。本来ボクが家で使いたいのはシンプルなカタチなんですけど、やっぱり最初は、引きのあるもので勢いをつけないといけないんで(笑)。昔は、輪花と呼ばれる花が描かれたものがハレのうつわと言われていて、お祝い事に使ってたんですよ。

SOUQ
じゃあ、輪花皿はめでたいうつわだったんですね。


岡本
そうです。西洋でも中国でも日本でも東南アジアでも、輪花というのは必ずありますね。カタチ自体が花みたいなので、つくりやすいのかもしれません。その次につくったのがオーバルですね。


SOUQ
楕円形の形をしたお皿ですね


岡本
はい。いま結構流行ってます。楕円形はいいなあと思って。

SOUQ
うつわをつくるときに、この皿にはこういう料理が盛りつけられるといいなとか、イメージしているんですか?


岡本
そうですね。昔からあるカタチを現代の食生活に合わせて、ちょっとだけ編集しているようなイメージですかね。最近だったらパスタをよく食べますが、パスタに合ううつわは案外少ない。そういう洋食化している日本の食卓に合うように、意識はしています。


SOUQ
確かに、昔は家でパスタを食べるということもあまりなかったですもんね。

岡本
といっても、「あわびウェア」のうつわは、カラフルなものじゃなければ和食にも合うと思うんですよ。輪花皿とか八角皿とか。いまはカフェなどで使ってもらうことが多いですけど、和食にも絶対合うので、そういう提案をしていきたい。こうなったら自分で和食の店出しますかね(笑)。


SOUQ
ぜひ淡路島で! ご自身で料理もされるのですか?


岡本
料理は好きですね。でもお店は誰か料理人にやってもらいたいですけど(笑)。懐石で、やりたいですね。


SOUQ
やはり、コースでうつわが並ぶといいですね。一般でも、すべて「あわびウェア」でそろえてらっしゃるような家庭もあるんですか?


岡本
そういう方もいてくださいます。こないだ、家にあるうつわを全部捨てて、パープルの皿すべて2枚づつ買ってくださった方もいましたね。


SOUQ
全部パープルなんですね! 他の色を少し入れてもいいような気もしますが…。


岡本
でもこの色、空間を壊さずに変えるチカラがあって。意外にきつすぎなくて美しいんですよ。レストランなんかでも映える。

SOUQ
「あわびウェア」は色合いが独特なんですけど、釉薬はどのようなものを原料にしているんですか?


岡本
基本的に金属と鉱石。主原料は、風化した石です。専門的なことを言うと長石だったり珪石だったり、石灰だったり。わりと身近で取れるような原料です。


SOUQ
なるほど。石や金属でこれだけの色みを出せるんですね。


岡本
この緑のやつは銅が入ってますね。銅が酸化すると緑青(ろくしょう)という緑色の物質になりますけど、その色です。酸化した銅の色ですね。


SOUQ
パープルはどうやって色を出してるんですか?


岡本
コバルトという鉱石ですね。そのほかは日本画の絵の具で使われるような顔料を使ったりします。高温で焼くと、赤だったものが黄色になったりとか、ベンガラという顔料は酸化した状態だと赤いですけど、焼くと分量によっては黄色くなったり茶色っぽくなったりします。

SOUQ
「あわびウェア」色というのが、かなり浸透してきたように思えますが、新しい展開などは考えてらっしゃいますか?


岡本
いま制作中のものがあるんですが、見てみます?


SOUQ
ぜひお願いします!(新作の試作品が置かれている、隣の部屋に移動します)


岡本
これが新作のパン皿の試作です。これがめっちゃいいんですよ。


SOUQ
いいですね! これほしいです。

岡本
8月末に東京で行う『パン皿展』に向けて制作中のパン皿なんですが、木地に漆を塗っています。


SOUQ
漆塗りなんですね。


岡本
このブルーグレーっぽい皿が拭き漆で、生成りっぽいのと濃い茶色が塗り漆です。これを四国の職人さんと輪島の職人さんといっしょにつくってるんですよ。そんなコストのかかるバカバカしいつくりかたをするところはないと思うんですけど(笑)。


SOUQ
四国と能登じゃ、だいぶ離れてますね。


岡本
木地を四国の職人さんにお願いして、漆は輪島の塗師・赤木明登さんの弟子だった職人さんに塗ってもらってます。

SOUQ
パン皿をつくろうと思ったきっかけはなんだったんですか?


岡本
「あわびウェア」のうつわだとパンは乗らないなというのをうすうす感じていて。パン皿があったらいいなあと思っていたときに、四国の職人さんと出会って、こんなんやってみたいんですけどって言ったら、わりと気さくにノッてきてくれて。


SOUQ
陶器ではなく、木の専門家ですね。


岡本
そうです。その方が話がわかる人でよかったんですよ。自分の意見もしっかり言うし、ちゃんと職人でありながら作品もつくっているし。ボクが最初に陶器の感覚でデザインしたものは高台が小さくて薄かったんですが、パン皿だと大きくしないとダメだと言われて。

SOUQ
陶器と木のうつわだと微妙に違うんですね。


岡本
木地の世界ではこういうバランスのほうがいいという持論があって、研究熱心な方なのでデータもたくさんあって。その方といっしょにできたから、すごくいいもんができたんですよ。当たり前のお皿なんですけど、なんていうか、すごくいいものができたんです。


SOUQ
漆の塗りもいいですよね。


岡本
気軽に使ってほしいパン皿なんで、値段はできるだけ下げたいと思っているんですけど、塗り漆だったら、この皿で15,000円ぐらいとってもおかしくない。


SOUQ
そうですよね。漆はすごく高価なイメージがあります。やはり塗りの工程が多いからですかね?


岡本
この皿は7回は塗ってますから。拭き漆のものでも最低5回か6回は拭いてますからね。

SOUQ
そうすると当然値は上がる?


岡本
はい。でもボクは拭き漆なら7,000円ぐらいで売りたいと思っていて。日常でバンバン使ってほしいから。そうすると利益はあまりないんですけどね(笑)。


SOUQ
それは、うれしいですね。


岡本
これはもう、かわいい子というか。自分で企画を立ち上げて、いい職人さんにも巡り合ってできたものなので、できるだけ多くの人に使ってもらいたい。東京のパン屋での『パン皿展』のあとは、全国のパン屋を巡りたいですね。



あわびウェア アトリエ&ショップ

「あわびウェア」がつくられる現場と多くのアイテムが並ぶショップを訪れることができます。予約制となっていますので、メール、電話にて申し込みください。

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